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「百聞は一見にしかず」もあると思うのですが、 ただ、大学生に限らず、20代後半-40代も減っており、色々な問題 があるような。 特集:「若者の海外旅行離れ」(1)、「時代のリーダー」を対面取材 |
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[掲載日:2009/07/07]
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有識者だけに語らせない小さな声を拾う努力を
ここ数年、「若者の海外旅行離れ」に関する議論が業界を中心に活発化している。 社会一般には自動車や酒類など、主要産業における消費の変化が指摘されており、 日本経済新聞社産業地域研究所の「20代若者の消費異変」調査研究報告書による と、「身近な消費を堅実に行う『縮み志向』の若者が増え、非日常性を求める気持ち が弱まっている」と分析する。海外旅行のもつ最大の魅力=「非日常性」が、価値の 薄いものになっているのではないか。 今回は大手旅行会社での経験が長く、執筆、講演活動で活躍する千葉千枝子氏に 依頼し、観光学部を設置する私大2校の協力を得て、観光学科の学生を含む計249 人からアンケートをとると同時に、グループセッションを実施。そこで集約した「生の声 」を2日間にわたりレポートする。「時代のリーダー」は彼らの世代だという認識の上で の「対話」や「参画」といった地道な努力のなかに、商品開発のヒントが隠されているの ではないだろうか。 「国内旅行で十分」。若年男子の保守的傾向が顕著に 今回、アンケートならびにグループセッションの協力を要請した大学は、いずれも 観光学の学部・学科を設置し、キャンパス近くに観光地が控える好環境にある。 観光を専科として学ぶ両大学の学生に共通していえることは、海外旅行経験者が「2 人にひとり」の割合だという点。未経験者のなかには国内旅行派も含まれる。しかし、 一般系の学生に絞って経験の有無をたずねると、7割近い学生が海外旅行未経験だ。 某大学のキャンパスを初めて訪ねたのは、世界的な金融危機に見舞われた08年 暮れのこと。商学部貿易・観光学科、のゼミで学ぶ学生を対象に90分のグループ セッションを実施した。面白いことに臨席した3年生(当時)の男子学生9割が海外旅行 未経験であるのに対し、女子学生全員が複数回の旅行経験をもっていた。若干の 個人差はあるものの、4年生におよんでは海外旅行への意欲が高く、意識の違いが みてとれる。特に男子学生は、就職活動の経験が大きく影響するようだ。 しかし、同大学に通う非観光系の一般学生を対象にアンケート調査をした結果、男子 学生の保守的傾向があらためて浮き彫りになった。「国内をもっと旅したいが、海外へ 行く発想はない」、「バイトや部活に忙しく、金銭的にも余裕がない」、なかには「テレビ (旅行特番)やネットで満足している」という意見まであり、旅行離れの傾向が男子学生 の大半を占める。 パスポートの保有率は低く、保有することへの憧れも希薄。アルバイト代の3分の1 から4分の1は携帯などの通信費に消えてしまうという。「国内旅行の経験を増やした い」という意見を持つが、海外旅行は「面倒くさい」とする内向き志向が大半だ。こうした 傾向は、観光系の学生にも顕著にみられた。 ファッション雑誌の旅行特集は高嶺の花 そこで日を変えて、2年生から4年生の女子学生だけを対象に某大学で再度インタ ビューしたところ、海外旅行に対する意識に性差の広がりが歴然とみてとれた。 女子学生のなかには、旅行費用をバイトで稼ぎ、積極的に海外へ行く人もいる。 大学の長期休暇を利用してバイト代でヨーロッパを旅したある3年生女子は、「ホテル やカフェに行くために、お洒落な格好を心がけるようになった」と語る。従来型の消費 パターンは、少数派だが実在する。卒業後、就職をしたら「出産を望むが、共働きは いとわない」といい、「行けるうちに行きたい」と語る女子学生が多いのは昔も今も変 わらないが、彼女らをリピーターに育てあげるには、社会背景的に幾つかの障壁が あることも考えられる。 そうはいっても、相対的に堅実さは増している。消費に優先順位をつけ、海外旅行を あと回しにする傾向は女子学生にも強い。衣服に興味があり、ファッション雑誌を定期 的に購読する2年生女子は、海外旅行の特集ページを読んでも「自分には行けない」と 感じることが多いという。旧態然としたイメージ先行の媒体露出では効果が薄く、実利的 な情報も加味して発信することが必要なのかもしれない。
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